第2章

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多肉植物・・・サボテン、か。 何となく興味が湧いたオレは、少しだけ覗いてみようと店の奥に入って行った。 すると、そこには・・・想像していたよりもずっと大きくて立派な温室があった。 「へぇー・・・サボテンって、いろいろ種類があるんだな。」 「うん。原種の数だけでも、約2500種はあるからね。交配品種も入れれば、それ以上だよ。」 「2500・・・それは、スゴイな。」 オレは、辺り一面に置かれた大小のサボテンを眺めながら、その数の多さに圧倒されてしまった。 そして、もう一つ・・・思いのほかサボテンの花がキレイだった、という事も。 彼女は、その事を知っていたのだろうか? 男所帯のせいか、今まで部屋に花を置こうだなんて考えた事もなかったけど、リビングにサボテンの鉢が1つあるだけで、辺りの雰囲気が一変する。 あのサボテンは、いったいどんな花を咲かすのだろう? まぁ、1コじゃ寂しいし・・・どうせなら、あと何種類か置いた方がいいような気もするけど・・・ 「ねえ、父、サボテンもいいけどさ・・・皿はどうするんだよ。もう時間なくなっちゃうよ?」 「あ、そうだったな・・・急いで探さないと。」 よし! サボテンは、家に帰ってからゆっくりパソコンで検索する事にしよう! 心の中で、そんな事を思いながら・・・オレは、また「フラワー館」に向けて歩き出した。
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