第2章

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結局、自力で皿のありかを発見できなかったオレは、店員に教えて貰いながら園芸用品コーナーを見て回った。 彼女が買って来てくれた鉢の色は、少しだけベージュがかかったオフホワイト。 まったく同じ色の皿があればいいのだけど、どれも微妙にコントラストが違っていた。 白というのは難しいもので、無地同志を選んだ場合、その微妙な明暗の違いで相性の善し悪しが出てしまう。 (シンプルな柄が入っているモノの方がいいかな?) そんな事を思いながら棚を物色していると、ちょうど彼女が選んだものに近いオフホワイト×ホワイトのチェック柄になっている皿を見つけた。 サイズも、あの鉢の下に敷くにはちょうど良さそうだ。 よし、決めた! コレにしよう! そう思って、一番低い棚を物色している昂を見ると・・・ 「ねえ、父・・・コレなんかどう?」 「・・・・・」 その手には、何の混じり気もない真っ赤な皿が握られていた。
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