第2章

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(な、なぜ、赤を・・・?) いや、べつに赤と白が合わないと思っているわけではない。 ただ、あのフェミニンな鉢に、どうしてそんな毒々しい色の皿を持って来るのか知りたいだけだ。 オレは昂の隣りにしゃがみ込むと、彼が選んだ皿を指差しながら静かに問い掛けた。 「・・・日の丸か?」 「・・・は?」 その後、ひと悶着あったものの・・・ 何とか昂を説き伏せたオレは、閉店ギリギリで自分が選んだ皿を買う事が出来た。 (フフッ、やはり思っていた通りだ・・・) 買って来た皿の上にサボテンの鉢を置いて、しばし眺めてみる。 明日、彼女はコレを見て何と思うだろう・・・? ニッコリと微笑む彼女の顔が脳裏に浮かぶと、少しだけホッコリとした気分になった。 ま、とりあえずコレで、もう水を撒き散らされる心配はないからいい、か・・・ オレは、もう一度チェストに乗っているサボテンに目を向けると、リビングの電気を消して自室へ戻った。
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