第3章

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***** 会社に着き、自室に入るとすぐに・・・佐伯がドアの隙間からニヤケ顔を覗かせた。 「どうだった? 彼女。」 「・・・どう、って?」 「めちゃめちゃ可愛かっただろ?」 「・・・・・」 どうせそんな事だろうとは思ったけど・・・ コイツの頭の中には花しか咲いていないのか?と思うと、本当に情けなくなる。 「べつに、そういう視点で見てるわけじゃないから・・・」 パソコンを立ち上げながら、招かれざる客を早く追い出そうと話を切った。 何しろ、今日もオレは、やらなきゃいけない仕事が山積みなのだ。 ところが・・・言い方が悪かったのか、てっきり諦めて出て行くものとばかり思っていたのに、ヤツはドッカリとソファに座ってくつろぎ始めたのだ。 ・・・しかも 「あ、匂坂さん?悪いんだけど、社長室にコーヒー2つ持って来てくれる?」 勝手に内線電話を掛けて、コーヒーまで所望している。 どうやら、オレから何がしかの話を聞き出すまでは、出て行かないつもりらしい。 「・・・はぁ。」 昼飯の時にでも話せばいいか、と思っていたけど・・・ オレはため息を一つ吐くと、立ち上がってソファに移動した。
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