6054人が本棚に入れています
本棚に追加
/488ページ
*****
会社に着き、自室に入るとすぐに・・・佐伯がドアの隙間からニヤケ顔を覗かせた。
「どうだった? 彼女。」
「・・・どう、って?」
「めちゃめちゃ可愛かっただろ?」
「・・・・・」
どうせそんな事だろうとは思ったけど・・・
コイツの頭の中には花しか咲いていないのか?と思うと、本当に情けなくなる。
「べつに、そういう視点で見てるわけじゃないから・・・」
パソコンを立ち上げながら、招かれざる客を早く追い出そうと話を切った。
何しろ、今日もオレは、やらなきゃいけない仕事が山積みなのだ。
ところが・・・言い方が悪かったのか、てっきり諦めて出て行くものとばかり思っていたのに、ヤツはドッカリとソファに座ってくつろぎ始めたのだ。
・・・しかも
「あ、匂坂さん?悪いんだけど、社長室にコーヒー2つ持って来てくれる?」
勝手に内線電話を掛けて、コーヒーまで所望している。
どうやら、オレから何がしかの話を聞き出すまでは、出て行かないつもりらしい。
「・・・はぁ。」
昼飯の時にでも話せばいいか、と思っていたけど・・・
オレはため息を一つ吐くと、立ち上がってソファに移動した。
最初のコメントを投稿しよう!