第3章

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・・・と、その時。 「ご、ごめんなさい・・・思わず・・・」 引きつった表情の彼女と視線がぶつかって、ようやくオレも我に返った。 「いや、べつに・・・」 咄嗟にそう答えるも、心臓のドキドキはまだ止んでくれない。 (・・・オレ・・・いったい、何を・・・?) まるで、見てはいけないものを見てしまった後のような・・・そんな罪悪感にも似た心の動揺を、いったい何と言って形容すればいいのだろうか? あの跳ね上がるような胸の高鳴りは、いったい・・・? どうやら、動揺しているのはオレだけではなかったようで・・・ 彼女もまた、それ以上何も言えず、ただ気恥ずかしそうに立ち竦んでいた。 立ち込める静寂の中、聞こえて来るのは昂の寝息だけ・・・ 「・・・・」 「・・・・」 お互い無言のまま、視線を合わせる事すら出来ないオレたちの間に、また気まずい空気が流れ始めた。 と、その時・・・ 「そ、それでは・・・おやすみなさいッ!」 場の雰囲気に耐えられなくなったのか、彼女はオレに向かってペコリと頭を下げると、逃げるようにその場を立ち去ってしまった。
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