人生の選択肢

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「えっ、社長のお嬢さんと……ですか?」  藤倉巧(タクミ)29歳。  自分で言うのもなんだけど、一流大学卒業後、一流企業に勤め、それなりにキャリアを積み重ねて来たエリート会社員。  そんな俺に持ち上がった、降って湧いたような非の打ち所の無い見合い話。 「何処で君を見初めたんだか。娘は君に夢中でね……」 と、でれでれに目尻を下げまくった社長。 「……はい」  嬉しくないわけがない。  だってそれって、社長が俺になら娘をやってもいい、そう思ってるって事だろ?  俺は社長に認められた男。  正に、出世街道まっしぐらーッ! 「良い返事を待ってるよ」 の言葉に、正直俺は頭を抱えた。  最悪だ……この世の終わりだ……。
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