第17話 足音

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ジュウという音とともに煙が立ち昇る。わずかに火も上がる。 それを面倒くさそうに見つめながら、次々に肉片を焼いていった。 「最近じゃあ、ゴミを捨てるのも大変よ。たき火すら、勝手にできやしない。まあ、ここなら、何を焼いたって誰も文句は言わないからね」 トングには、ワニの頭が挟まっている。 それを、一番火の勢いが強いところに置いた。 肉の焼ける匂いがたちこめ、吐きそうになる。 たくさんの人たちが利用し、健全さを絵にかいたような総合公園。 その一画で、化け物が焼却処分されているなんて、誰が考えるだろう。 嗚咽して口を押えるオレを、葵さんは笑って見ていた。 「それにしても、キミが警察に顔が効くなんて思ってもみなかったわ。上層部に圧力をかけておいても、ああいうはねっ返り刑事は抑えきれないのよ。どんな手を使ったの?」 オレは、彼女の質問に答えられなかった。 まさか、全国大会に招待することを理由に引き下がってもらったなんて、言えない。 どうやっても高柳刑事を抑え切れなかったオレは、すべて教えることを条件に帰ってもらうことにした。
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