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かく言うオレも、いつものアメリカンイーグルのパーカー。
大一番ほど、平常心が大事なんだ、なんて自分に言い聞かせてみる。
シンタロウは、いつだって平常心。車に乗せるなり、後部座席で三男坊と鬼ごっこを始めた。
「あのさ、いつも車を出してもらって悪いね。今回はシンタロウの試合だし、ガソリン代と高速代はオレが持つから」
強がって言ったわけじゃない。
本当にいつも足代わりになってもらって申し訳ないと思っていた。
金ならある。地方予選の賞金を、このために残しておいたんだから。
「何言ってんだ、そんなのは心配しなくていい。ジュビリー二号のメインブリーダーは梅田哲郎名義だよ。僕が出して当たり前じゃないか。キミたちには、ブリーダーとして最高の夢を見させてもらってる。ガソリン代くらい、安いもんだよ」
なんでこのオッサンは、ときどきかっこいいセリフを口にするのだろう。
その横顔が、ちょっとだけ男前に見える。本当に、ちょっとだけ。
でも、オレは引き下がらなかった。どうしても払いたいと、譲らなかった。
「じゃあ、こうしよう。ジュビリー二号が優勝したら、その賞金の五パーセントをブリーダー代として徴収するよ。これなら、いいだろ」
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