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地方大会の優勝賞金が百万円。
全国大会は、いくらなのだろう。五百万円くらいかな?
だとしたら、取り分は二十五万円。梅田さんが納得するなら、それでいい。
「よし決まった。じゃあ、是が非でも優勝してもらわないと。賞金ですごいラバナスを育てるぞ!」
いやいや、二十五万円くらいじゃ、たいしたラバナスは育てられないだろ。あらためてオレは尋ねてみる。
「全国大会の優勝賞金っていくらなの?」
オッサンはさらっと答えた。
「一億二千万円」
オレはケタ違いの金額に腰を抜かした。
一億二千万円!
オレのバイトの何時間分だ? 計算する気は、毛頭ない。
それは、夢のスタートラインに立つために、十分すぎる金額。
「それじゃあ、全国大会に向けて出発だ。今日のドライブミュージックは、梅田哲郎セレクション、アイドルラブソング特集だ」
オッサンはスマホとカーナビをブルートゥースで接続しようとしている。
オレは慌てて、その手を止めた。
また、あの苦痛を味わうなんてごめんだ。
しかも今度は四時間以上!
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