第18話 鉄壁

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東京と言っても、いろいろあるんだな。 オレの頭の中じゃあ、高層ビルがあちこちに建っていて、バカ高いブランドショップに、食べログ四つ星以上の飲食店が軒を連ね、芸能人とファッションモデルとテレビ局関係者でスクランブル交差点がごった返し、クレープ片手に自撮り棒で写メを撮りまくる田舎者が集まる場所、それが東京だと思っていた。 ところがどうだ。車窓から見えるのは、うら寂しい山林。ゴルフ場、渓谷、ダム、またゴルフ場、またまたゴルフ場。 これじゃあ、実家の風景とたいして変わりやしない。 青梅市ってところだそうだが、ここも間違いなく東京都らしい。 予定より二時間も遅れて、二十三時に到着したのは、オッサンのせいだ。 ことあるごとに高速サービスエリアに寄り、カレーだのラーメンだのハンバーガーだの、ご当地メニューを食べつくし、しまいには腹を壊してトイレから出てこなくなるなんて。 全国大会に向けて、テンションが上がりすぎてしまったらしい。わかりやすい性格だよ、まったく。 宿泊先のホテルに着いて、オレは正直ビビった。オッサンが興奮のあまり頭がおかしくなったんじゃないかって思うほど。 予約していたホテルは、ホスピタリア・グランデ東京。 御岳山に抱かれた、風光明媚な超高級ホテルだったのだ。
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