第18話 鉄壁

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梅田さんは酔っ払ってるオレに向かって、大会の説明をしてくれた。 日本全国から予選を勝ち抜いた十四匹のラバナスが一堂に会し、トーナメント方式で優勝が争われる本大会。 明日、一日目は一回戦のみ六試合。 大会二日目は来週の二十五日で、シード枠二匹を加えた二回戦の四試合と、準決勝二試合が行われる。 そして、六月一日は決勝戦だ。ルールは地区予選と同じ。食ったら、勝ち。単純明快の食い合い。 「優勝候補は、大会随一のパワーファイター、関西二区のゲンジ号。それと、唯一無二の攻撃力、北関東のクニトモ号。勝ち抜いたとすれば、両者とも決勝で対戦することになるよ。前評判の高さでは、東京二区のリドサウルス号も引けを取らない」 オレは膨れた腹を抱えて、ベッドで横になる。 優勝候補とか有力選手とかって話は、『ドラゴン・ウインスペクター』で散々聞かされたから、もういい。それより気になるのは、人を襲う怪物の方だ。 「道央・道南代表はどうなってる?」 「北海道一区は、もともとソルティヌーブ号だったんだけど・・・ウィゼライト号になってる。ブリーダー名は新谷和貴だって。聞いたことないなあ。もともとシード枠だから、参加は大会二日目から。来週だね」 人食いとのご対面は、来週までお預けか。
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