第14話 秘密

44/44
533人が本棚に入れています
本棚に追加
/373ページ
絞り出すような低い声。 ジェイソンは、小脇に抱えたケージを芝の上に置く。 ペットショップで売っている小型犬用のケンネル。 中は暗くて見えないが、ガタガタと揺れている。 ラバナスが興奮しているのだ。 「用意はいいか、いくぞ」 「おい、ちょ、ちょっと待て!」  低い声の男は、オレの制止を聞かず、おもむろにケージの扉を開けた。 「アンリーシュ!」 オレは慌ててダウンのジッパーを下げ、中からヤツをっ引っ張り出す。 ケンネルから飛び出してきた黒い影に向かって、サルモドキを投げつけた。 〈 つづく 〉
/373ページ

最初のコメントを投稿しよう!