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上向きに膨らんだ胸が、今にもワイシャツのボタンを弾き飛ばしそうだ。
愛らしいルックスと裏腹に、プロポーションは挑発的。
歳は二十代後半から三十代前半といったところ。
キャリアウーマン然とした、大人の色香が零れ落ちていた。
ゴクリと生唾を飲みこむオレに、ベッピンさんはもう一本のトングをアゴで指し示す。
キミもやりなさい、ということなのだろう。
渋々ながら、オレも肉塊の回収を手伝う。
「クモのラバナスなんて、いいサンプルになるわ。ああ、できるだけ部位ごとに分けて袋に入れてね」
真っ赤な細切れをトングではさみ、ジップロックに詰めていく。
こんなにボロボロじゃあ、どこの部位かなんてわかりっこない。
あのサル、ずいぶんと派手に散らかしてくれたじゃないか。
その惨状に、吐き気をもよおしそうになる。
気分を紛らわすために、オレは彼女に声をかけた。
「ラバナスは、昆虫にも形を変えるのか?」
「もちろん。こんなに立派な身体になるには、相当な量を食べる必要があるけど。きっと、誰かが意図的に食べさせたんじゃない?」
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