第15話 騒霊

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どの事件も知っていた。 連日テレビで報道されていたのを覚えている。 福岡市の事件は、防犯カメラに映った赤い車とかハンチング帽をかぶった不審者とかって、犯人捜しをテレビ各局が競い合っていた。 白浜の事件は暴力団抗争じゃなかったのか。 吉祥寺の事件に関しては、二十年経った今でも情報提供を呼びかけるビラ配りが行われている。 唯一生き残った少年が支離滅裂な犯人像を語って、初動捜査を混乱させたとかって事件だったはず。 ペットの行方不明や家畜被害、器物損壊だけじゃないんだ。 あれほどの大きな事件も、化け物のせいだったのか。 「だからあたしたちは、情報収集して、いち早く野良退治をしなくちゃいけないの。野良退治ができる優秀なラバナスは少なくてね。けっこう忙しいのよ。もしあなたたちがヒーローのまねごとをしたいなら、情報を回してあげてもいいわよ」 そんな言い方をされてまで、シンタロウを野良ラバナス始末に奔走させる気はない。 あくまで全国大会までの練習なんだから。 「いや、結構です」 オレはキッパリと言ってやった。
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