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それでも、なんとなく連絡先を交換してしまったのは、心の底からあふれ出るオレ正義感ゆえであって・・・決して、どんぶりを逆さに付けたような胸元に心を奪われたからではない。
断じてない。
「ジュビリーくんにも、よろしく伝えといて」
走り去るカングーを見ながら、胸元のざっくり開いたワイシャツ姿が頭をよぎる。
情けない男の性分。
鼻の下を伸ばしてる自分の横面を、ビンタした。
まあ、いいか。全国大会まで、あとひと月半。
もし野良ラバナスの情報が回ってきたとしても、相手にできるのは大会後になるだろう。
そのとき野良退治に協力できるのだとすれば、それはシンタロウが生きているってことで。
つまり、大会で優勝していることが前提だ。
「まあ、さすがに、それはないよな」
だから、わずか二日後、またあのどんぶり巨乳を拝めるなんて・・・じゃなかった、葵さんと、あんなところで出会うなんて思ってもいなかった。
〈 つづく 〉
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