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車中は、オレにとって苦痛でしかなかった。
水色のラパンは、軽快なスピードで北陸自動車道を走る。
その四角い箱のようなボディはキュートなだけじゃなく、パワフルな足回りも備えていた。
快適なドライブだ。
長岡ジャンクションで関越自動車道に乗り換えて、南下。
赤城山まで、約三時間の道のりを、春風に背中を押されるように心地良く進んでいた。
車窓からの眺めがいい。
抜けるような快晴、青く萌え始めた山肌。
四月も二週目に入ると、気温もずいぶんとあがってきた。
もう、モンクレールダウンの出番は終わり。
今日は、アメリカンイーグルのパーカーを着こんできた。
車のウインドウを下げ、時速九十キロで飛びこんで来る若芽の香りを、めいっぱい吸い込む。
頭の中で再生されるBGMは、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの『GT400』。
ああ、ドライブもたまには悪くない・・・こいつらと、一緒じゃなければ。
「窓を開けたら、暑いじゃないか」
有無を言わせず、ウインドウが閉まっていく。オッサンが運転席から操作したのだ。
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