激戦☆事の始まり

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今年は夏は特に蒸し暑い。 何も、俺が住んでいる新宿だけが暑いわけじゃない。 頭では分かっているが暑さでイライラがとまらない。 「だいちゃーん、部活遅刻するよー?」 「わかってるよ、うるせーな。」 高校生らしい、反抗期真っ盛り。 よくある話だが、 俺は小学2年の頃、TVで見た剣道の試合が忘れられない。 『礼に始まり礼に終わる』と言われるほど、礼儀を大切にするスポーツ。 野球とか見ていても、今のはアウトだセーフだの、ストライクだボールだの。 様々な競技で、必ず誤審や不満がある時はコーチや選手が「抗議」する。 だが、剣道はどうだ?そんなことは一切ない。 無駄な争いは嫌いだ。 だけど、スポーツは好き。 そんな俺にピッタリだと思い惹かれた。 その後、地元のスポーツクラブに入り、中学に続き、高校でも剣道部に入った。 中学では全国3位までいったが、1位にはなれなかったから、高校では雪辱を果たすと誓っている。 今日はそんな剣道の朝練の日だ。 靴を履き、荷物を持ち、玄関をくぐる。 その時だった。
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