第18章 身代り人形の愛

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「よく見ろよ。飼い慣らされた俺の恋人――」 律の指は 僕の顎先から唇へ滑る。 「いや、おまえのかつての恋人」 慈しむような手つきとは裏腹 憎らしげに吐き捨てた。 「おまえの物だから欲しかった」 僕を捕えておきながら 律が見つめていたのは僕ではない。 「俺から逃れようと――おまえが初めて愛した物だから」 可偉人だけ――。
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