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衝動的に僕を床に押し倒し
「腕を上げろ!」
頭上で重ね合わさせた手を
がんじがらめに縛り始めた。
「ハァッ……ハァッ……!」
乱暴にシャツが破かれる。
すぐに熱い肌を重ねた。
「お兄様と――お兄様と呼べ」
「律お兄様……僕を縛って……僕を抱いて」
身も心も通わせながらも
僕らは互いにいつも可偉人のことを思っていた。
今なら分かる。
これだけが誰も
愛の炎で焼け死ぬことのない方法だったのだと。
【完】
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