第18章 身代り人形の愛

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衝動的に僕を床に押し倒し 「腕を上げろ!」 頭上で重ね合わさせた手を がんじがらめに縛り始めた。 「ハァッ……ハァッ……!」 乱暴にシャツが破かれる。 すぐに熱い肌を重ねた。 「お兄様と――お兄様と呼べ」 「律お兄様……僕を縛って……僕を抱いて」 身も心も通わせながらも 僕らは互いにいつも可偉人のことを思っていた。 今なら分かる。 これだけが誰も 愛の炎で焼け死ぬことのない方法だったのだと。 【完】
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