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無くした指輪と終わる世界
空は快晴。
初夏の風はほんのりと湿気を孕んで、教室のカーテンをゆるゆる揺らしていた。
そんな放課後の誰もいない教室をひとり占めしているというのに、浮かない顔で机を荒らす少年が一人。
「サイアクだ…」
入れっぱなしの教科書、ノート、しわくちゃになってへばり付いていたプリントも引っ張り出したが
「この世の終わりだ……」
言うなり、がつ、と音を立てて机に突っ伏した。
周りの床には先程取り出した机の中身だけでなく、鞄、筆記用具、雑誌、飲みかけのペットボトル──とにかく、少年の持ち物であろう様々なものが散乱していた。
額が痛むもののど少年にとってそれば自らに課した罰のようなものである。
───とにかくどう言い繕うか。
いやここは素直に謝るべきか───?
「コウタくん」
少年の肩かびくりと揺れた。
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