終末の日に

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「この世の終わりが最高だと思えれば未だましだがな。アンタはこれからずっと一人で、生きる訳でも死ぬ訳でもなく存在して行くんだから。 当然、生きた人の目にも、死した亡霊の目にも映らない。際限の無い孤独と飢え、癒されぬ渇きに苛まされ続けるだろうよ。 だが貴様は、今や何にも認められない存在だ。食物に触れる事は叶わず、その口は一掬いの水すら含めない。 挙げ句、狂う許しも無いのだ。元からの歪みは救い様がない故に。 何が聖職者だ。 貴様がやった事は、悪魔ですら唾棄する行為だ」 何が良くないと、うそぶくのでしょう。 死を待つばかりの人から、パンを、林檎を、金貨を取って行く事が。 私は聖職者です。行いは常に正しいのです。 ああ、神よ。 クソッたれな神よ。何故私をこれ程までに苦しめるのだ。
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