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熱く注がれる視線の先には、
女性のように美しい顔立ちのピアニスト、セイ。
細い指で繊細な旋律でありながら、怜悧な印象さえも感じさせる音を紡ぎ出す。
そして、ボーカリストのリュウ。
妖艶……
と、いう言葉はきっと彼の事を指すのだろう。
少し顎を上げて、舐めるような眼差しをこちらに向けながら、
艶やかなハイトーンボイスを響かせる姿からはただならぬ色気を感じる。
私は彼に夢中だった。
彼が出演する日には、何としてもスケジュールを空けて駆けつける。
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