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「それじゃ――あ、ちょっと待って」
ここで録音は無理だと踏んだのか。
昔ながらのメモとペンを取り出して
凪はゴクリ喉を鳴らした。
「その前にギムレットをもう一杯」
早速肩透かしをくらわせても
「ん、ああ……」
指をならして
バーテンにお代わりを頼んでくれる。
「さて和樹くん」
気を取り直して
本題に入るぞと言わんばかり。
「君のお兄さん、結局あれからどうなった――?」
凪は背筋を正すと
こちらに真っすぐ向き直り言った。
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