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遠慮していた割には
随分率直な質問だ。
「お兄様ね」
あの日――。
燃え落ちる教会の煙に巻かれ
忽然と姿を消した征司。
僕はそこで気を失って
気づけば病院のベッドの上だった。
「やっぱり見つからないの?」
「そういうこともあるって。警察も消防も――」
焼け跡から征司の遺体が見つかることはなかった。
だけどあれから2週間。
征司が生きた姿で見つかることもなかった。
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