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初めて僕の毒牙にかかる人間は可愛い。
「あなたにならそのうち、みんな本当のことを教えてあげてもいいな」
カウンターに頬杖ついたまま
独り言のように僕が囁くと
「本当?」
凪はあからさま興奮した様子で
頬を紅潮させた。
「うん。それ相応の報酬を支払って頂けるなら」
「お金を取ろうっていうの?」
「お金なんかいらないさ――腐っても天宮家の子息だ」
「それじゃ……」
困惑した顔。
だけどどこか期待した眼差し。
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