episode 176 Kissing Gimlet

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episode 176 Kissing Gimlet

「和樹……和樹……」 誰かが僕を呼ぶ声がする。 はっとして身を起こすと そこはさっきまでいたナイトクラブのバーカウンターだった。 「ねえ君、天宮和樹くんだろう?」 「……どちらさまですか?」 同じ場所。 どうやら カクテル片手にうとうとしていたらしい。 目の前に立つ 大きな垂れ目のハンサムな男は すかさず僕に名刺を差し出した。 「新聞記者……」 「名前で呼んでよ」 「何と読むの?」 大音量の音楽が邪魔するからか 男は僕の耳元すれすれまで唇を寄せ名乗った。 「波間風凪(はまかぜ なぎ)」
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