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「当ホテルの責任者、九条と申します」
ホテルマンを下がらせると
九条敬はその場で深々と頭を下げた。
「えと、何か……?」
予想外の人物の登場に
凪は面食らった顔して辺りをキョロキョロする。
「大変申し訳ございません。お客様」
こんな場面を目にしていながら
それこそ品性の全てが表れる
柔和な頬笑み。
「僕……何か問題でも?」
「いえ、とんでもございません」
皺一つないスーツに
そつない受け答えはいつものこと。
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