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「待って……!」
堪えられず
僕の腕を引き戻すような形で引き止めた。
「何もしてないよ」
「え?」
この期に及んで
何を言い出すかと思ったら。
「だから君が望んだこと――僕は何もしてないよ!」
廊下に響き渡るような声で
弁解なんて――。
このまま黙っていたら
僕が何を望んだかまで
ご丁寧にも口走りそうな顔してるから。
「悪いけど……何にも覚えてない」
逃げるように僕は凪の手を振り払った。
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