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だったらさっきのキスは?
凪の顔にそう書いてある。
だけど正直にそう言う代わりに
「約束通り、今度改めて取材を申し込んでもいいかな?」
最後は新聞記者の顔して。
「いいよ……」
まるで弱みを握られた僕が
仕方なく頷くのを待っていた。
「それじゃお休み」
凪が名残惜しそうに部屋へ戻ってしまうと。
必然的に僕らは二人きり。
「君に話がある」
「……だろうね」
長い廊下の先を見据えていた九条さんは
振り返りざま固い調子で呟いた。
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