episode 176 Kissing Gimlet

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からかうように鼻で笑ってやると 凪は人懐っこそうな顔で 「僕にもこれ」 バーテンに同じものを注文した。 しばし沈黙。 職業柄か その間も僕から目を離さない。 「どうして僕だと?」 「ん?」 「どうして僕だと分かった?」 グラスの淵をなぞる 女より細い僕の指を 「だって……」 まるで犬のようにつぶらな瞳で追いながら 「君みたいな男の子いないもん」 緊張した声音で凪は答えた。
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