第8話 えぇ加減に、しんさい!!

4/5
前へ
/5ページ
次へ
  名前も住所も分からない、  身元不明の死者は、  統計の上でどのように扱われているのだろう?   Iさんが無事であることを祈るが、  もし、行方不明になっていたらどうなのだろう?  彼にも、安否や行方を尋ねてくれる  家族はいなかった。      犠牲者が多数出てしまった  天災、大事件、大事故。  犠牲者が多ければ多いほど  世間のその扱いは、  大きく、重くなる。     ところが、  一人の犠牲者の命の扱いは、  反比例して  小さく、軽くなってはいないだろうか?   たとえ、数千人の内の一人であっても、  本人は勿論、家族、恋人、友人、知人には  かけがえのない一つの命である。  いつだって一分の一。  数千分の一では決してない。   どうか、身元不明者のその存在が  きちんと、統計に数えられ、  犠牲者を追悼する碑に  刻まれていることを願う。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加