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「ったぁ~!」
手で頭をさすりながら身体を起こす。
起こして、最初に視界に入ってきたもの。
とても信じられない光景に、私はそのまま固まってしまった。
「大丈夫?」
優しい声とともに、手を差し出してきた人。
肩に、鋭い目付きで私を睨む鷹を連れたその人は、私がずっと求めていた人。
「かい、と、せんぱい?」
一語ずつ、確かめるように漏れでた言葉に、先輩はクスリと笑った。
「ただいま。
また猛禽ショーが行われるそうだから、帰ってきたよ」
「うぅ、せんぱい!」
堪えきれず、泣きながら先輩の胸に飛び込む私。
先輩も、両手を広げて私を迎えてくれる。
でも……。
『キ、キー!』
『クー』
私は鷹にど突かれ、先輩は梟にど突かれて、同時に道に倒れた私達。
とっても痛いのに、なんだか懐かしくて笑えてきた。
そのままゴロンと転がって仰向けになると、空は綺麗なブルーを魅せ、その中を二羽の鳥が羽ばたいていた。
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