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「何!?」
リーダーの声がうわずる。
目を見開いたのが分かった。
「早いな。もうバレたか」
彼は、忌々しげに舌打ちしながら、人質に目をやる。
そんな彼とは対照的に、人質達の顔には、不安の中にも「これで助かるかもしれない」という安堵が見てとれた。
「もう平気だ。きっと無事に帰れる」
信成は、親友達にこっそりと耳打ちをする。
それを聞いた四人は、ほっとした様に軽くうなずいた。
「よかった…」
涙で顔がぐしゃぐしゃになっている河野が思わず言葉を漏らす。
だが、しかし。
思わぬ事態に苛立っていたはずのリーダーの顔に一瞬笑みが浮かんだ。
「だったら、人質をとって逃げろ。拳銃をつきつけて脅せ」
あくまでも冷静で静かな口調。
それがかえって恐ろしさを煽った。
一ヶ所に集められて震えていた客も館職員も、顔が凍りつく。
人質にされて連れていかれてしまったら、どんな目に合わされる事か。
生きて帰れるのだろうか。
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