第1章

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抵抗したところで、所詮は無駄だった。 「信成っ!河野ーっ!」 親友達は、声の限り叫ぶ。 それが館内に響き渡るが、それ以外に特に変化はない。 彼らは、がっくりと肩を落とした。 「マジかよ…」 まさか…。 こんな事になるなんて…。 今の状況が信じられない。 バスの中では、あんなに楽しく笑いあっていたのに。 黒いヒヨドリが来れば面白いかも。 そんな事は、ただの冗談だったのに。 「…僕の…せい…?」 貴司は、床に両手をつき、へたり込んでうなだれた状態で、絶望にうちひしがれながらつぶやく。 もし。 もし、自分があんな冗談さえ言わなければ。 あの自分の軽い一言が、本当に黒いヒヨドリを呼び寄せてしまったのではないか。 あの時、自分さえ黙っていれば、今も皆と楽しく過ごしていたかもしれない? そう考えると、後悔してもしきれない。 その言葉に、ミッチーと宗ちゃんは、慌てて首を左右に振った。 そして、貴司の背中を優しくなでながら、必死に否定する。
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