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一方、人質として連れ去られた二人はといえば。
「離せよっ!触るな!」
大声を出しながら、暴れ続ける信成。
対照的に、体を縮こまらせてブルブルと怯えているだけの河野。
信成引きずる様にして引っ張っている黒いヒヨドリのメンバーは、苛立った様にチッと舌打ちした。
「ガキってのは、どうしてこう面倒くせぇんだろうな」
子供嫌いなのか、何故人質が大人では駄目なのかと思ってるのが丸わかりである。
信成は、自分達も望んで連れて来られたのではないとばかりに、自分を物の様に扱う彼を更にきつく睨み付けた。
「だったら、さっさと解放してよっ!」
そう怒鳴る。
それが怒りを煽ったのか、信成を連れてたメンバーは、思いきり信成を放り飛ばした。
ドサッ。
大きな音がして、数メートル先の床に信成の体が転がる。
「信成!」
河野が引きつった声を上げた。
ただ投げられただけなのに、まるで、拳銃で撃たれたかの様だ。
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