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そして、助手席で腕組みをしたまま、こちらを見ようともしないリーダーを振り返った。
「で、いいですよね?」
すると、リーダーは、こちらを見ようともせずに応える。
「どっちでもいい。逃げきれた今、人質が2人もいると邪魔なだけだからな。早くしろ」
静かな口調ながらも、有無を言わせぬ感じだ。
そんな会話を裂く様に、河野が信成に向かって手を伸ばしながら声の限り叫ぶ。
「信成っ!嫌だぁ…っ!信成…っ!」
「河野!」
届かない手を見つめながら、信成も焦った。
今、彼の思い付く限りで最悪の事態が訪れようとしている。
河野を残したままで、自分だけ解放されるなんて望んでいないのに。
しかし、手下は、更に信成を突き飛ばして、車のドアを閉めようとしていた。
「ガキ1人なら、人質以外にも使い道があるんだよ」
意味深な事を言いながら、ニヤリと口角を吊り上げる。
「このお友達とは永遠にお別れだな。お前は、さっさと失せろ。」
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