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「ゲーマーってのは、いつもそこまで考えながら遊んでんのか?」
「ああ!遊びこそ真剣に!俺達はそういう人種だ」
反射的に俺的ゲームポリシーを語ってしまう。それを聞いて、矢吹は口元に手の甲を当ててクッ、クッ、と低い声で笑い出した。
「そうか、そりゃあ俺達優等生とは違う発想がポンッと出てきそうで面白いな」
自分で自分を優等生と呼ぶことに嫌味を感じさせないのも、こいつの才能、もしくはリア充として経験値を積んできた中で得たスキルなのだろう。
「因みに、山田はどの役割に当たるんだ?やっぱ見た目通りアタッカーか?」
俺の背中の双剣に目をやり、矢吹は問いかけた。
俺はお前らとは次元が違う。未だ俺の真名を呼んでくれない矢吹にそのことを解らせてやりたくなったので、勢い良く石碑から立ち上がり、右手で拳を作り、自らの胸に打ちつける。
「愚問だな、矢吹よ。俺は先陣を駆けるタンクでもあり、敵を屠るアタッカーでもあり、パーティーを精神的に支えるサポーターでもある。敢えてそのポジションに名前を付けるなら、“ジ・ウルトラ”。全てを超越する唯一無二の存在なのだ!」
入れ替わるように俺の石碑に腰掛け、矢吹は俺の姿を見上げながら手を数回叩いた。
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