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流石町長、説明おつ。
筆頭魔獣とは、俺達が言うところのエリアボスであるとみてまず間違いないだろう。手癖の悪いあのモモンガ魔獣に魔石などを盗ませ、それを糧に力を蓄える。そういう習性を持った魔獣ということか。
「つまり、その筆頭魔獣を俺が狩ってもいいんだな」
俺の積極的な返答に、町長始め衛兵達は声を上げて沸き立った。
「おお!やってくださいますか。しかし、遺憾ながら我らには礼をするほどの蓄えもなく…」
「あー、いいよそういうのは。俺が勝手にやるだけだし。ただし、魔石はそのまま俺が使ってもいいんだよな?」
「はい、勿論でございますとも!はぁ、有り難い。かの高校生様が来てくださるとは、何たる幸運」
計画通り。という町長の心の中が聞こえてきそうだったが、別に利用されるのは構わない。俺達の存在を王国政府はこころよく思っていないと聞くし、迫害や粛正を受けないだけでも安心だ。
俺達ゲーマーは、どうしても彼らをノンプレイヤーキャラクター、いわゆるNPCとしか見ることができないため、ついつい礼を欠いた対応を取りそうになってしまう。自分達を中心に物事を考えてしまう点はお互い様というわけだ。
「はいはぁい。それじゃぁ、メリーさんもお供しまぁす」
ゆったり滑らかな動きで挙手したメリーさんに、黒野さんは怪訝そうな顔を浮かべた。
「え、何故?」
気持ちは解るし俺も二人に同行を頼むつもりはなかったが、何故って言っちゃダメだろう。困った人がいたら助けるのは別におかしなことではないし、ほら、町長もなんか複雑そうな顔してる。
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