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目の前のサイヤ人はよろけただけなのか普通に立っていた。
俺も目の前にいるサイヤ人を気にしながら立ち上がり再度サイヤ人の顔を見た。
「うっわ、イケメン…」
「あ?なんか言ったか」
っやべ、声漏れてた。
目の前のサイヤ人の顔はとてもイケメンで金色の髪もとても似合っていた。
って、こいつ…
「紫苑 秋十…?」
「あ?誰だてめぇ」
「あっ、いや、なんでもない。ぶつかってすまなかった。じゃあ急いでるから」
俺はぶつかった拍子に飛んでいった鞄を拾い上げ埃をはたけば目の前にいるサイヤ人に会釈をして返事も聞かずに走り出した。
「っ、焦ったー!あいつ紫苑じゃねぇかよ…」
先ほどぶつかった奴の名はサイヤ人ではなく紫苑 秋十(しおん あきと)
俺と同じ学校に通っている2年で、周りはあいつのことをヤンキーと呼ぶ。
最近顔を見てなかったからすっかり忘れていた。
つか、あいつの顔ってあんなカッコよかったんだ…
俺が風紀委員長になったのはほんの二ヶ月前。先代の風紀委員長が転校することになり副委員長であった俺が委員長に選ばれた。
2年で委員長を務めているのは俺だけだと思う。
先代の委員長はあいつに手を焼いていたことを話してはくれていたが、俺が委員長に就任したと同時に学校へと来なくなっていた。
いや、いたのかもしれないが見ていなかった。
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