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「体冷えちゃうんで、風呂入ってきてください。」
「あ、ありがとう。」
間宮の部屋。
びしょ濡れの俺を見て連れてかれた。
間宮はあれから実家の仕事を継いだらしい。
もともと有名で知らない人がいないような大きな会社。
髪から滴り落ちる水。
鏡に映る自分。
「ひどい顔だ。」
俺はなんで今ここにいるんだ。
過去にされた事を忘れたわけじゃないのに。
間宮とのことが頭によぎった。
何かされる訳がないのに、勝手に体がこわばった。
自意識過剰も甚だしい。
心のどこかで不安になった。
その不安の中にある期待のようなもの。
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