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「ありがとう。俺、長居するのも迷惑だと思うしもう帰るよ」
風呂から上がり間宮に言った。
このまま間宮の家にいると何かやってしまうような気がして。
「陽人さん。折角ですしもっとゆっくりしていってくださいよ。迷惑なんてことないです。陽人さんに会えて俺は嬉しいですよ」
「そう、か…。」
有無を言わせないような目。
従うしか道が残されてないような気がした。
「俺、コーヒーいれてきます。陽人さんはコーヒーと紅茶どっちがいいですか?」
「あっ…と、じゃあコーヒーで……」
「わかりました、ちょっと待っててください」
間宮がキッチンへ向かう。
それをずっと見てる俺。
「あっそいえば」
ふと思い出したように振り返った間宮。
「どうした?」
「葛西さんと福原さんってまだ付き合ってるんですか?」
久々に呼ばれた[葛西さん]っていう呼び方。
俺との距離をおこうとする時に間宮が言う呼び方。
その言葉に胸がぎゅっとなった。
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