見つけた

5/16

26人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
「ありがとう。俺、長居するのも迷惑だと思うしもう帰るよ」 風呂から上がり間宮に言った。 このまま間宮の家にいると何かやってしまうような気がして。 「陽人さん。折角ですしもっとゆっくりしていってくださいよ。迷惑なんてことないです。陽人さんに会えて俺は嬉しいですよ」 「そう、か…。」 有無を言わせないような目。 従うしか道が残されてないような気がした。 「俺、コーヒーいれてきます。陽人さんはコーヒーと紅茶どっちがいいですか?」 「あっ…と、じゃあコーヒーで……」 「わかりました、ちょっと待っててください」 間宮がキッチンへ向かう。 それをずっと見てる俺。 「あっそいえば」 ふと思い出したように振り返った間宮。 「どうした?」 「葛西さんと福原さんってまだ付き合ってるんですか?」 久々に呼ばれた[葛西さん]っていう呼び方。 俺との距離をおこうとする時に間宮が言う呼び方。 その言葉に胸がぎゅっとなった。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加