留学編

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 そんな家庭だったから、 私は、あまり好きじゃなかった。  とくに、自由奔放に、言いたいことを言い、 やりたいことをやっても、怒られない妹は、 私から見ると、とても羨ましくもあり、 同時に、嫉妬を感じる存在でもあった。  私はいつも怒られてばかりなのに、 妹は、いつも大事にされているように思えて、 理不尽さは消えなかった。 それから、いつも怒ってばかりいる父親に対しては、 ストレスばかり感じて、週末になっても、 ひたすら帰って来なければいいと いつも思っていた。   でも、心の底では お父さんに認められたい! 思いが強かったから、 表面的には大嫌いだったけど、 なかなか離れられずにいたと思う。  中学をトップの成績で卒業して、 高校も主席で入学。  この時のお父さんの大喜びは、 いまでも忘れられない。  お父さんは本当に喜んでいて、 その知らせを聞いた時だけは 普段よりも1日早く帰ってきた。  そのお父さんのよろこぶ姿を見て、 やっとお父さんに認められた! って、心の底から思えた。  あの時が一番幸せを感じたな。image=497949869.jpg
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