第1話

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凍えるような寒さ。 朝、布団から出るには少し勇気がいる。 それでも、容赦なく耳元で鳴る携帯電話。 うるさい。 そう思い布団を深くかぶり直す。 電話を手に取らなければ鳴り止むことは無いのに。 たまらず、携帯を手に取り電話に出る。 「起きろーー!!!」 下手な目覚ましより遥かに目覚めが悪い。 「おぉ。」 そう一言言って電話を切る。 また、鳴る携帯。 「分かった。起きてる、大丈夫。」 電話越しに大きなため息が聞こえる。 「毎日毎日毎日毎日。起こす身にもなってよ。」 なんでこいつ朝からこんなうるさいんだろう。 毎日、そう思いながら起きている。 「優、今日わ?」 「仕事次第。部屋で待っててよ。」 「分かった。頑張ってね。」 あぁ。っと返事をして電話を切った。
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