第38章 大っ、好きっ、です

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っていうか、アクセサリー? 時計とか? あとは、カバン? うーん、どっちも岳は普段してない。 基本的にアクセサリーしないもんな。 ネクタイ……も、窮屈だとか言いそうだし。 酒? 酒は好きだけど、なんかちょっと違う。 うーん、俺のために色々考えてくれた倉敷さん、マジでごめん。 でも、すっげぇ温かくて、岳と手を繋いでるみたいに思える手袋をもらったんだ。 だからホワイトデーはやっぱ酒とかじゃなくて、もっとこう俺からって感じられるような。 あ! じゃあ、マフラー! は、もう季節的にないな。 服とか? ホワイトデーに服? 服、かぁ。 「服、ねぇ……」 「生まれたままの姿が一番なんじゃん?」 「純! だーかーら! もうそのネタはいいって!」 ホワイトデー、マジで何にしようかと思ってんのに、純がスマホを楽しそうに笑いながらいじってるから、また絶対に、あの裸にリボンくっつけたモデルさんの写真を探してるんだろ。 それはアクセサリーよりも、香水よりもありえねぇから。 「マジで! 純ってば! ホワイトデー!」 「俺は、お前といられればいいぞ?」 ふわっと、身体が温かくなった。実際にあったかいのは、掌がポンと乗っかった頭のてっぺんだけだけど。 「よっこいしょ」 「先生、おっさんっぽい」 この優しくてあったかい声に、全身がドキンと跳ねて、一瞬で全身がほんのり熱くなる。 「おっさんだ」 俺の隣に座ると持っていたおしぼりで手を拭き、純に笑いながら、もう四十だぞって言ってる。 「え? えぇ? 岳?」 岳がいきなり隣に座って、めちゃくちゃ驚いてる俺を見て、くしゃっと楽しそうに笑った。
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