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今度、中学に入る子どもがいるんだっけ?
あ、そういえば、俺とちょうど吉橋さんって二十、歳が離れてた。
成人式なんだって話をした時に教えてもらったんだ。
その吉橋さんが鼻の穴を広げて、フンと息をひとつ吹く。
「わかっているだろう?」
つまり、吉橋さんと岳先生は同じ歳なのか。
もう結婚して、子どももいる吉橋さんと、岳先生は同級生。
そう考えると愕然とするくらいに歳が違いすぎる。
二十の年の差をすっげぇ、今、痛感した。
ゲイだからって男全員が恋愛対象になるわけじゃねぇ。
だから、元から吉橋さんをそういう目で見たことはない。
ノンケだし。
いや、結婚してなくてもそんなふうには考えなかったと思う。
だって、歳離れすぎてるだろ。
下手したら親子でだってありえる年の差だ。これだけ離れてるのかって。
そりゃ
ありがとう、としか返さないよな。
「勇人、わかってるよな?」
吉橋さんは先輩で、兄貴ってところも越えて、もう親戚のおじさんの位置に近いものがある。
岳先生と俺もこれだけ離れている。歳も位置も、全部。
「いや……わかりたくないっす」
ニヤリと笑うなよ、そこで。
「今日は残業だぞ」
「いっつも残業じゃないっすか!」
「あれは残業じゃねぇ。俺たちの定時は八時だ」
それ、違うっつうの。
定時は五時だっつうの。
つまりは今日の帰りは八時は余裕で超えるってことかよ。
明日、土曜で休みなんだけど。今日はハナキンなんすけど。
文句を垂れるとなんでか嬉しそうに吉橋さんが笑っている。
そういうとこ、少しダブる。
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