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「早速だけど 今日ここに集まってもらった話を進めて行こうか」 そう言って 恭司先生が話し難いと思っていた相続の話をし出してくれた。 「俺は 恭司先生に言った通り 父さんの遺産なんかは全部放棄するよ。ってか 俺も母さんも それを受け取る事は出来ない。 受け取ってはいけない事を母さんはお義姉さんにしちゃった」 「それとこれとは別でしょう?」 「俺達は あの時に現金分の遺産は相続させてもらっている。 そのお陰で 出て来た母さんはすぐにアパートを借りれて 俺も引き取れた。それだけで十分だよ」 「私は あの家さえ自分の元に戻ればそれでいい。あとはいらない。 あ、私名義になっているパパの曲ももらいたい。 後は渉夢と お継母さんにあげるよ」 「ちょっとちょっと 2人で要らないって言い合わないでくれる? どっちかにもらってもらわないと これとこれは欲しいけどこっちはいらないって分ける事は出来ないんだから」 苦笑いする恭司先生に 笑っている拓海さん。 「じゃあ 家と曲の著作権だけ私で あとは渉夢のモノね」 そう割り振りしてみた。 「家と曲以外の財産って 何があるんですか?」 渉夢が恭司先生に聞くと 一枚の紙を出して来た。 父が持っていた家以外の 別荘や土地などが書いてある。
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