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パパが曲を作る時にこもる為に建てられた 那須にある別荘。 後は 何に使うつもりだったのか知らないけど土地だけで3か所ある。 「これを渉夢が相続したとして 相続税はどうなるんですか?」 「それはこっちの金額だ。別荘の方は一定の居住用じゃないから いくらかは安くなっている。 問題は自宅の方だ。場所と敷地面積が大きい分税金も高額だ」 さらに新しい紙を私達の前のテーブルに置いた。 「大丈夫です。これくらいなら払えます」 「__っえ?」 私の言葉に なぜかみんなが驚いた顔を向けてきている。 何?って感じで拓海さんを見ると 「お前 随分貯金あるんだな・・・・・・」呟かれた。 「曲が売れたのと 著作権の使用料が入って来るから 会社にいる時よりも収入はいいよ」 ニューヨークで出産した時に べらぼうな出産費用を取られたけど それでも大部分は残っていた。 「なら 話は決まったな」 恭司先生が渉夢を見ると 「渉夢君 虹渉ちゃんがこう言ってくれてるんだ。お父さんの財産を受け継ぐ事も償いに繋がると思って 気持ちを受けてあげよう?」 「はい、恭司先生。ありがとうお義姉さん」 私に向かって頭を深く下げた渉夢は うっすらと瞳が滲んでいるように見えた。
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