エピローグ

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-----------2年後。 「今日はお招きありがとう~」 10歳の女の子の右手を恭司先生、左手は恭司先生の奥様の花音さんが繋いで庭の入り口で手を振っている。 「いらっしゃいませ ようこそです」 バーべーキューコンロで火を起こしていた拓海さんの代わりに 私がみなさんをお出迎えするために近づくと 「虹渉ちゃん お邪魔します」 白のフリフリレースが付いた フワッとしたピンク色のお嬢様ワンピースを着て 同じ素材でできたリボンでツインテールした可愛い蘭ちゃんのご挨拶。 「蘭ちゃん いらっしゃい。今日は楽しんで行ってね」 目線に合うように屈んでお話すると 「はい、虹渉ちゃん 蒼空君は?」 庭をキョロキョロしながら探す蘭ちゃんに 「蒼空は 今 おじいちゃんとおばあちゃんとお買い物に行ってるから もうちょっと待っててね」 「はーい。パパー 蒼空ちゃん 今いないんだって~」 先に拓海さんの方に行ってお喋りしていた恭司さんと 花音さんの元に走って行った。 「虹 恭司先生たちにこれ戴いた」 白い発泡スチロールを持ち上げて見せてくれたので 「もしかして 昨日の釣果が入ってますか?」 中を見なくてもわかりました。 「そう!昨日は大量だったよ~」 嬉しそうに破顔した恭司さんに対して 明らかに不貞腐れ顔の花音さん。 「花音さん、置いて行かれたんですか?」 「だってこいつ連れてくと 五月蠅くってよぉー」 「でも昨日は真帆達も行ったって言うじゃなぁーい!!」 プク~っと頬を膨らませる花音さんを見て 「ママの顔面白ーい」と大笑いの蘭ちゃん。 「はいはい、今度は連れて行きますから」笑って話すのを見てると 恭司先生んちの仲の良さが伝わってきます。
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