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「『ジー。こちら救護ヘリ・レッドライトニング。これより負傷者二名を搬送する。繰り返す。こちら――』」
ババババッというローター音を響かせて真っ赤なヘリの機体がゆっくりと上昇していく。
その姿を呆然と陸地から見上げる者たちが着ているユニフォームの背中には、『ARRT』の文字――
まるですべての望みが舞い散るように、ヘリは地上に咲く草花を巻き上げながら空高く舞い上がって行った。
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