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「ち、ちょっと、ナオミさん、もう止めて! マジ止め! く、くすぐったいからっ! (両手ダブルでまさぐってくるナオミの腕をガシッと掴む)」
「やんっ! もっと、もっとぉー!」
「ダメ、もうダメっ! ……お、俺がおかしくなっちまうっ!」
「もー、ケチ。……じゃあ、また今度触らせてくれるって約束してくれたら、止めてあげるっ(はぁと)」
「やだ。……絶対やだっ!」
「じゃーあぁー……これが終わったら、春樹にご褒美あげるからっ! ねっ、それならいいでしょっ?」
ご、ご褒美ぃ? ……と声を上ずらせながら掴んでいたナオミの手をそっと離す。そして空を見上げて逡巡する事二秒――
「ご、ご褒美って何ですか?」
「ナ・イ・ショっ! ね、約束だからね! またその腹筋触らせてねっ! (そしてすごすごと席に戻る)」
「はあ……なんでそうなるんですか……(まあご褒美もらえるならいいか……って、一体なんだろう。とか考えつつ脱がされたTシャツを拾う)」
「(そしてそれを着てからイスに座ったところで)って、ナオミさんっ! 何でこっちに来ようとしてるんすかっ?」
「(ガタガタとイスを引きずりながら)えー、だって、なんかテーブル越しだと遠いし。このほうが良く顔も見えるでしょ? (春樹の隣にイスを置いて座ると、フフッと微笑む)」
「(めっちゃ顔近いし! ナオミさん、ああ……なんかいい匂いがしてくる)……ちょ、ちょっとくっつきすぎですよ! イスを離してください!」
「いいじゃん、いいじゃん! 誰も見てないんだし、こうやって――腕組めば、なんか恋人っぽくないかなー?」
「かなー、じゃないですよ! ああ、もうダメだって、お願い、抱き付かないで! ――色々と俺が大変な事になっちゃいますよっ!」
腕も筋ばっててカッコいいねー、などと、細マッチョが大好きなナオミは、イスに座ったまま無邪気に笑いながら真横にいる春樹の腕に絡みつくと、今度は一転、誘うように悩ましげな視線を送りながらグッと顔を近づけて耳元で囁いた。
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